母が危篤から生還したあとのことです。
母の担当医から『家族の方にちょっとお話があるので・・・。』といのことで私と父が別室へ呼ばれました。私と父は神妙な面持ちでナース室に入り、担当医師より母の病状を聞くことになりました。私は先生の表情から母の状況はあまり良くないということが想定できました。
ナース室に入ると担当医から『今回の危篤状況、呼吸困難な状況はまた起きるかもしれないので、家族の方にはある程度覚悟をしていただきたい・・・。』
私はわかっていたものの内心動揺をしていました。しかし父は冷静に『あとどれくらいでしょうか?』と担当医に質問したところ、『長くて1ヶ月くらい、しかし、いつどうなるかはまったくわからない状況なので・・・。』と言葉を濁していました。私は『もう手術とか薬とかではだめなのでしょうか?』と聞くと先生は『もう末期の肝硬変ですので、厳しいです・・・。延命の為の治療はどうしましょうか?』と具体的に質問されましたが、まだ元気だった頃の母は、『私の最後は延命治療しないでいいよ、苦しみたくないから・・・』と話していたので、私と父は『延命はしなくていいです。』と即答しました。
母の病気や体のことに関して一番の理解者である父は、母の余命宣告を告げられても、決して動揺せず気丈な態度をとっていました。私は父がもっと動揺するかと思っていましたが、日に日に悪くなっていく母の闘病姿をみて、父はすでに覚悟していたと思うし、もう母が苦しまないことを第一に考えていたのでしょう。
|