誰もが最愛の人を失ったときの悲しみや喪失感は経験したくなくても、いつかは起こり得ることです。もしそれが予期せぬ不慮の交通事故等で突然であった場合は、本当に耐え難い気持ちになることかと想像できます。
私は母の病気である慢性C型肝炎を何年も前から知っていて、本やインターネット、新聞、テレビのニュースなどから様々な情報を得ていました。そして誰よりも母自身は相当知識がありました。いつかはこんなときが来るだろうと覚悟はできていたと思います。
現在国内では100万人以上がこの病気に苦しんでいると聞きます。そしてほとんどの患者さんが不十分な医療体制から感染した人たちです。母もその犠牲になった一人でした。
しかし母はそのことに関して不平・不満や怒りを誰かにぶつけたり、愚痴をこぼしたことは1度もありませんでした。
それどころかインターフェロンやラジオ波などの最新治療にも前向きに取り込み、その結果最高のお医者さんにもめぐり会え、母の治療に関わった看護婦さんや関係医師の方にはいつも感謝の気持ちを表していました。
そのおかげで母の寿命はきっと何年分も長くなったと思います。
また闘病中も決して弱音を吐かず、苦しくて我慢できない痛みでも、常に我々家族を気遣い、そのたびに家族はみんな『お母さん、そんなこと心配しなくて、自分の病気だけ治すことに専念していればいいから。』と、いつも言ったことも思い出されます。
そんな家族思いで気丈な母の姿は一生、私の心から忘れることはないでしょう。
2007年8月 筆者
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